出汁の話 2025.06.21 出汁とは何か?瀧さわ家が語る、料理の土台と静かな主役 多賀城で静かに味わう和食。その一皿の奥にある“縁の下の力持ち”が「出汁(だし)」です。 瀧さわ家 多賀城店では、昼は稲庭うどん、夜は出汁を活かした酒肴や一品料理を提供しています。 この記事では、私たちの料理の根幹を支える「出汁」について、その素材・考え方・使い方をお話しします。 出汁の基本:昆布・鰹節・椎茸が支える旨み 瀧さわ家の出汁は、和食の王道とも言える三種の素材から始まります。 昆布:旨みの軸をつくる存在。ゆっくりと水出しすることで、上品で柔らかな風味を引き出します。 鰹節(焼津の荒節):香りとキレのある旨味。荒節ならではの力強い香りが、料理全体に輪郭を与えます。 干し椎茸:味に奥行きを出す脇役。静かな甘みと深い余韻が残ります。 これらを丁寧に合わせ、朝一番に仕込み、当日使い切り。毎日新しい出汁から一日が始まります。 料理によっては、比内地鶏や牡蠣などの動物性素材も加え、さらに厚みのある出汁を重ねます。 出汁の活かし方:料理が語る、その深さ 出汁は、味の輪郭をつくる“静かな骨格”です。素材の持ち味が最も美しく立ち上がるよう、見えないところに心を込めています。それが私たちの、出汁に対する向き合い方です。 たとえば夜の人気メニュー、茶碗蒸し。 一番出汁だけで仕立てた玉地は、卵の甘さと出汁のうま味が静かに重なります。 おでんは、出汁の力をもっとも純粋に感じられる料理。素材ごとに出る味が混ざり合いながら、優しく包み込むような味に。 天ぷらのネタは、揚げる前に下味として軽く茹でたり、くぐらせたり、天つゆのベースとして使用。 さらに、鍋料理や餡かけにも出汁をふんだんに使い、素材を主役にする構成を大切にしています。 出汁のリレー:一番出汁と二番出汁の使い分け 一番出汁は、主に夜の酒肴や出汁巻き、茶碗蒸しなど「味の決め手」に使います。 一方、二番出汁は一番出汁の後に追い鰹を加えて取ったもので、ランチでは二番出汁をせいろのつゆに追い足して、お吸い物として最後まで楽しんでもらうサービスを行っています。 出汁を「取り切る・使い切る」ことで素材の命を無駄にせず、最後まで美味しさに活かします。 おわりに:出汁は語らず、香るもの 料理の中で出汁は声を出しません。でも、その存在があるからこそ、食材が生き、生き方が伝わる。 瀧さわ家の出汁は、毎朝の仕込みからはじまる“静かな主役”です。 Post Share RSS 投稿者: takisawa-t出汁の話おでん, 一番出汁, 二番出汁, 出汁の取り方, 出汁の哲学, 干し椎茸, 昆布, 比内地鶏, 茶碗蒸し, 鰹節コメント: 0
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